2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

斎藤緑雨『大いに笑ふ』

底本は『齋藤緑雨全集 巻一』。 大いに笑ふ [一浪士]久しく逢ざりける友の偶ま訪來りて我の太く病ほつれたるを嘲り兔角慰めくれんと種々[さま/\]の物語しける程に我も紛れて大いに笑ひけりあやしき事の多けれど思出る便[つて]にもと其次第書つらねて復た笑…

風刺をめぐって(池内紀) 斎藤緑雨の「新体詩見本」はパロディの傑作というものだ.外山正一調にはじまって福羽美静調,上田万年調,与謝野鉄幹調.さらに「いざや喰らはん椀の飯」にはじまる「懸賞募集軍歌調」をおまけにつけた. 巧みにマネる.オリジナル…

読み上げやすい方がいいのか

A bc (lyric)2006年-10月-29日■十二時十五分 ......ライトノベルの表紙が恥ずかしくて購入えません 一般的には購入えませんより「買えません」の方が「読み上げやすい」やうな気がしますが。 (追記)-■十五時二十七分 たぶんこちらへの反応だと思ふ。別に購入…

危ないです、危なうございます

雑念雑記 2006年10月度 東京方面における駅のアナウンスの話。電車到着の際の危ないですから、白線の内側までお下がりくださいって言ひ方に、物凄く違和感を覚える。近畿圏では危険ですから〜と言ふ。他にも色々な違ひはあるのだけど、そこが一番久樹の心に…

http://d.hatena.ne.jp/funaki_naoto/20061028#p2 日本語の歴史〈別巻〉言語史研究入門 (1966年)作者: 亀井孝, 大藤時彦, 山田俊雄 出版社/メーカー: 平凡社 メディア: ?? 第一部(言語史の原理)を亀井孝が、第二部(文獻學の方法)を山田俊雄が擔當してゐ…

「まるやるま君」

「正(旧)仮名遣ひ⇔現代(新)仮名遣い」相互変換〜まるやるま君を使はせてもらって気づいたこと。 「付・附」を区別しない 「御座る」などが「御坐る」になってしまふ 「余・餘」、「予・豫」も区別しない (29日追記)試してみたら基本漢字内で、「応恵舎、尭…

斎藤緑雨『小説八宗』『小説八宗に付て』

底本は『齋藤緑雨全集 巻一』。 小説八宗 [正直正太夫]時勢ハ變遷仕つる、節物ハ代謝仕つる、流行物の日を逐ふて廻しを取るハ今日只いま娑婆の約束なり見やれ改良熱より割て出たる際物の能く長持致せしハ餘り多く御座無いにあらずや、あらざるが唯一つ往生せ…

日本古典文学大系『今昔物語集』1(山田孝雄、山田忠雄、山田英雄、山田俊雄校注・岩波書店)

いつの間にか山田俊雄ファンになってしまったので借りた。読まずに見ただけ。 月報にある湯川秀樹の文章。 今度の古典大系の今昔物語集では、例えば法華経にはホクェキャウと振仮名がしてあるそうである。発音は当時の辞書によったのだという。このような本…

斎藤緑雨(短いもの)

底本は『齋藤緑雨全集 巻一』。 無黄道士の汽車百詠 [●○生]難有や無黄道士、道士は「俳諧言勝ち」主義を以てこの程よりの讀賣新聞に汽車百詠なるものをズラリ陳列し「口より出るに任せて吐き」たるを皆俳諧と名けられ我等如き淺墓なる觀念を有つ身にも大いに…

「黒歴史」か

闇黒日記平成十八年十月二十二日 「外灯都市: 〈正字体〉って?」が削除されてゐる。 言葉 言葉 言葉 掲示板 讀んでみました。 投稿者: 酒井景二郎 投稿日:10月22日(日)18時06分18秒 [略] さう、「外灯都市」の〈正字体〉まはりのエントリー、みんな削除さ…

「明治欽定かなづかい」?

何やらあちこちで反応が。 闇黒日記平成十八年十月二十二日 「秘密結社」だから誤つた言ひ方を隱語としてわざと用ゐてゐるのかも知れないが、本氣で言つてゐるとしたら甚だしい事實誤認があるので指摘しておく。 明治欽定かなづかいなんてものは存在しない。…

『漢字百珍』杉本つとむ 八坂書店 2001年

「常用漢字」には反対だが略字・俗字は「死んだ正しい文字よりも価値が高い」と言ふやうな人。(『異体字とは何か』で述べたやうな)漢字廃止論の気配が無いのだが、あの後考へを変へたのだらうか。 筆勢のしからしむるところが、異体字成立の一契機になること…

『お言葉ですが…〈4〉広辞苑の神話』高島俊男 文春文庫

読むのが何度目になるか。 小澤書店は、わたしの好きな本屋さんである。 森銑三さんは昭和六十年になくなった。この『びいどろ障子』は歿後の刊だが、正字、正かなで作ってある。 『思ひ出すことども』のなかで森さんは、中央公論社から著作集を出したいと申…

『異体字とは何か』杉本つとむ 桜楓社 1978年

昭和47〜53年の論文集。 これまで論述してきたように、〈正字〉には二つの意味用法がある。(A)はというごく常識的なものである。この場合、正しいの規準はあくまで同時代的であり、主として政治・政策――現代なら文部省の制定指示的な面からのものである。も…

『ことばの海をゆく』 見坊豪紀 1976年 朝日選書

空が明らむといふ新しい(と思はれる)語形には違和感がある、自分なら明るむだ、とのこと。(p42) 「腹をくくる」「どまんなか」は元は関西弁。(p52) 「あっけらかん」は元は茫然自失の状態。さらに古くは「手持ちぶさた」かも知れない(朱楽管江が手持ちぶさた…

梅雨空文庫 注意:当文庫中、一部PDF文書は「旧式明朝印刷体」「明治欽定かなづかい*1」である。 当文庫では「正字」「正かな」とは、けっしていわない*2。 [略] *1亀井孝氏による。 *2秘密結社『じめじめ団』では「正字」(ただしい字)とは楷書のみである。…

『ことばの遊び学』見坊豪紀 PHP研究所 1980年

第一章で子供時代の思ひ出。特に満洲の話が面白い。(p9〜) 言葉の正誤を判定する基準。塚原鉄雄の提案を要約して紹介。その日本語が1,あるか2,正しいか3,適当かと三段階に見てゆく。[具体例が少ないのでやや分りにくい](p32〜) あるか(例、翻訳の「夜は若か…

『ことばさまざまな出会い』見坊豪紀 三省堂 1983年

「〜すべき」は戦後の新しい言い方だと思います。、一九五九年ごろに初めて見ましたとのこと。(p19) 「万華鏡」は昔は「バンカキョウ」だった(p48) 「北海道ことば見てある記」1969年。写真入りで当時の言葉を紹介。(p54) 「アメリカの邦字新聞を読む」1964…

『辞書と日本語』見坊豪紀 玉川選書 1977年

辞書論で水谷静夫・山田俊雄の意見に言及。(p81〜) 隠語辞典によれば、「ムショ」(刑務所)は「むしよせば」の略。「モク」は「雲の逆語」。(p98) 「ばてる」は「果てる」の濁音化ではないか、と言ふ。(p99) 「破鏡の嘆」。当時の鏡は金属製なのだから、「われ…

『辞書をつくる』見坊豪紀 玉川選書 1976年

京助先生のお名前を借りて世に行なわれている国語辞書は十指に余る。その多くは、先生のお人柄につけ入って単にお名前を利用しようとしたに過ぎないものである。(p139) ずいぶんと一方的で恩師に甘い書きやうだ。

『日本の語い』見坊豪紀・芳賀綏 1958年初版

借りてみたら何と「中学生の国語全書3」だった。話しかけるやうな文章なのでかへって読みにくい。 前書きから。 私たち二人は、この本をまとめるために、いろいろ相談をしました。そして、「おじさん」が二郎君と弘君という二人の中学生に話をしてきかせる…

『新日本古典文学大系52』山田俊雄

「庭訓往来」。別の人が担当する「句双紙」と併録。「実語教童子教諺解」も収録。

『幕末の武家』柴田宵曲編 青蛙選書

1965年。同選書の「旧事諮問録」の姉妹篇とも見れば見らるるものである。「江戸会誌」「旧幕府」「同方会誌」など明治二十〜三十年代に出た雑誌の記事を集めたもの。 青蛙房図書目録【青蛙選書】

『増補 本居宣長』2 村岡典嗣 平凡社東洋文庫

欧洲文献学を標準として宣長学を考へてみることは、思ふに興味深く、かつ宣長学の意義を明らかにする上に、最も適当な方法であらねばならぬ。と言ふ。その後、文献学の注では13ページも費してゐる(p17〜31)。 古人の意識の再現。知られたることを知る。(p15)…

たまってしまった読書メモをアップ。

「黒歴史」とか言っておきながらグダグダと

誰かさん(あるかさん)は自分とは違ふ考へ方・感じ方があることを(その可能性すら)想像できないらしい。前段での主張が後段への反論になるやうな矛盾したことを平気で書いてゐるのも笑へる。その間抜けぶりを一往きちんと指摘しておく。 ゴミは掃除しないと落…

書き終ったのでパブリックモードに戻す。 反対意見への反論 (1)平成十八年十月十一日 私の意見は書きました。後は「鳩笛雑記帳」の作者にお任せしませう。 もうサボりたいなー。誰か他の人にお願ひしたいところです。

ろくに調べもせずに旧字を弁護・支持してみる(6)

それにしても、誰かさん(あるかさん)は何ら旧字に反対する積極的な理由を何ら挙げてゐない(挙げられない)。 〈旧字〉のもとになったいわゆる〈正字体〉はそれまで一般的にほとんど使用されたことのなかった 現代の字で甲骨文は十分には十分には再現できない …

ろくに調べもせずに旧字を弁護・支持してみる(5)

誰かさん(あるかさん)の罠(?)にはまって醜態をさらした(1)〜(3)は「黒歴史」((4)を参照)。仕切り直し。 〈正字体〉って? の続き 3 誰かさん(あるかさん)が最初からこんな風に分りやすく書いてくれれば竹林とかいふ人が罠(?)にはまって泣きべそをかくことも…

ろくに調べもせずに旧字を弁護・支持してみる(4)

〈正字体〉って? の続き 3 もはや竹林さんと対話してもまったく意味がないことが判明しました。よって竹林さんのブログにコメントすることはこれで終わりにします。以後、トラックバックしてもらっても無視しますんで、あしからず。 とのことなので、万一…