危ないです、危なうございます

東京方面における駅のアナウンスの話。

電車到着の際の危ないですから、白線の内側までお下がりくださいって言ひ方に、物凄く違和感を覚える。近畿圏では危険ですから〜と言ふ。他にも色々な違ひはあるのだけど、そこが一番久樹の心に残る相違点だった。危険は名詞であり、危ないは形容詞。「形容詞+です」といふのが違和感の原因かと思ふのだけど、さうかと思へば、「美味しいです」「楽しいです」「ややこしいです」といった言葉なら、そこまで耳に障らない。何故だらう。聞き慣れてゐるかゐないかの違ひなのだらうか?

まあ、書き言葉なら「危ない+終助詞」で止めるか、「危のうございます」と書くだらう。私は。古くさからうが、最も違和感のない書き方をする。話し方は…どうだらうな。方便とか話し言葉とかも交じってゐるから、何が正統とは見極めがたい。「危ないです」は駄目でも、「難しいです」では問題がない(と感ずる)のだから、久樹の日本語的感性も所詮その程度と言ふことでせう。

呉智英『ロゴスの名はロゴス』や高島俊男お言葉ですが…』でもそれに触れてゐたなあ。代案が難しい、「〜ございます」ではやや堅苦しいし云々。高島さんは「キケン」が耳について仕方ないとも。