2006-01-01から1年間の記事一覧

『広益俗説弁続編』(平凡社東洋文庫)

2005年初版。 取上げてゐる俗説がそれほど興味の持てないものだったので、あまり面白く感じなかった。 仏を信ずる者を斬に、腕すくんでうつことあたはず、鉄砲にてうつにもあたらずといふは、仏法にはあらず、幻術なり。(p68)

電子テキストにしたい本

山田孝雄『国語の中に於ける漢字の研究 』 『齋藤緑雨全集 巻三』(「三人冗語」のみ) この二つをスキャンだけした。ぼちぼちテキスト化しよう。(山田孝雄はまだ著作権が切れてゐない)

http://d.hatena.ne.jp/funaki_naoto/20061008#p4 これは假名遣ひ(假名の遣ひ方)と假名使ひ(正假名の使ひ手)の兩方の意味を持たせたかつたので、區別しやすいやう敢て別々にしてゐました。しかし使ひ手だつたら「遣ひ手」でもいゝではないかと言はれさう…

「毎日母さん」

今週の「毎日母さん」(毎日新聞連載)のこと。 作者(?)は計算が苦手だといふ話で「69×9は?」「ええと、700弱」といふやうなやりとりがあるけど、700弱といふのは(その場しのぎの答としては)立派なものだと思ふ。「69×9=(70-1)(10-1)

毎日新聞の書評 

気になる本。 『光文社古典新訳文庫』 『祖先の物語ド−キンスの生命史』上下 『ウソ読みで引ける難読語辞典』 書評『オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史』(井上章一) 日本のアニメが、アメリカで変形されてしまうところも、興味ぶかい。『宇宙戦艦ヤマ…

ろくに調べもせずに旧字を弁護・支持してみる(3)

追記 タイトルをつけた(10月14日)。この項は「黒歴史」。誰かさん(あるかさん)の罠(?)にはまって醜態をさらした。(5)や(4)を参照。(以上追記。)

ろくに調べもせずに旧字を弁護・支持してみる(2)

追記 タイトルをつけた(10月14日)。この項は「黒歴史」。誰かさん(あるかさん)の罠(?)にはまって醜態をさらした。(5)や(4)を参照。(以上追記。)

ろくに調べもせずに旧字を弁護・支持してみる(1)

追記 タイトルをつけた(10月14日)。この項は「黒歴史」。誰かさん(あるかさん)の罠(?)にはまって醜態をさらした。(5)や(4)を参照。(以上追記。) 〈正字体〉って? 「旧字派」(仮称)についてずいぶんと適当なことを書いてらっしゃる。 文字に違和感を感じるだ…

http://d.hatena.ne.jp/funaki_naoto/20060929#p2 山田俊雄の本についてのコメント。 實に好い文章だと思ひながら讀んでゐた。言葉に關する知識やら蘊蓄といつたことよりも、先づ豐かな語り口に痺れて了つたのだ。 ああ、それそれ。全く同感。 一見誤用と思…

「正しい」「美しい」「見識」「語感」「センス」「フィーリング」?

A bc 二千六年十月一日■四時八分 どうでも良いが自分が正しい日本語はいらないと思う理由は「意味さえ通じればそれで良い」「語感さえ良ければそれで良い」という大変適当な発想から来ているのだろう , あ〜たとえば「なんじゃあねェの?」と「え」を小文字に…

毎日新聞で紹介された本

『制服捜査』 佐々木譲 『ルリユールおじさん』いせひでこ

『日本の聖書』海老澤有道 講談社学術文庫

「文語訳」とは違ふ古い時代の訳が面白い。 井深梶之助訳『馬可伝俗話』。明治十四年。(p322) みな食べるときに、イエスはパンをとって祝し、それをさいて、お弟子たちにあたへて、おふせられますには、とってたべよ。これは、わが身[からだ]である。また杯…

『鳩翁道話』平凡社東洋文庫

1970年初版。昭和四年刀江書院刊行の『鳩翁遺稿』の自伝や序、略年譜を除き「道話」の部分のみ再刊。 要するに御説教だが、たとへ話が豊富で活気のある語り口で落語のやうに面白い。 凡例より。 再刊に当っては、改めて「道話」の原木板本に遡って本文の校訂…

『増補 本居宣長』1 村岡典嗣 平凡社東洋文庫

有名な基本書。2006年1月17日初版第1刷。 凡例の三から。 仮名遣いは、変体仮名を通行の字体に直したほかは底本どおりとしたが、漢字は、原則として常用字など通行の字体に直した。また、難読と思われる漢字に新たな振り仮名を[]に入れて付した。 篇でなく編…

『ことばの履歴』山田俊雄 岩波新書

「あとがき」。収録されてゐるのは「詞苑間歩」のみ、編集から表記まですべて編集部に任せたらしい。 ここに収めたものは、どれを一つ取ってみても、身辺にあることばの用法や書きあらわし方などに話題を求めた、些細な贅言にすぎない。おそらく、年長けた人…

山田俊雄『詞苑間歩』続

「順風満帆」をマンポと読む間違ひが広まってゐることを嘆く文章を新聞で読んでのコメント。 辞典類をひいてみると、「順風満帆」といふ語は、極新しい辞典にしか載せてゐない。勿論しかるべき出典など皆無である。わたしにとっては、むしろマンポ・マンパン…

『神田喜一郎全集』第二巻

「続東洋学説林」 「投壺の遊戯について」 「日本漢学史上における僧玄光」 徂徠が古文辞を唱へるよりも前に実証的な研究をした人で、徂徠も非常に賞めてゐる。 「日本書紀古訓攷証」 孟子の「縁木求魚」は木に上りての意。(p327) 「書信」などの信の字は古…

『ことば談義 寐ても寤ても』

「まえがき」より。 いわゆる常用漢字には、それなりの使命もあり、またそれなりの効用も認めなければならないけれども、その外側に拡がっていた、日本語の過去の広大な眺めを省みることは、人の心にとって、全くの無用であるわけがない。 尖端的な世界に、…

ATOKで歴史的仮名遣を快適にタイピングするための方法 雑念雑記:2006年9月分 修正したとのこと。

「どうもです」

http://d.hatena.ne.jp/smallball/20060924/p5 どうでも良いが , 形容詞 + ですがあんまりすきなれない , 「いいです」くらいじゃないかな使っているのは . 何でかっつ〜と語感が悪いなんか中学生が無理して敬語を使っている印象 . まあ、改まったきっちりし…

山田俊雄『詞苑間歩』下 三省堂

山本有三の振り仮名廃止論についてのコメント。(p7) しかし、振り仮名の既に付いてしまってゐるものは、もし、その文章を客観的に読まうといふなら、勝手に振り仮名を余計ものとして捨てるわけには行くまい。つまり、振り仮名を当てにして、それを表記の一部…

「どうもです」「さよならだぜ」

http://d.hatena.ne.jp/smallball/20060921/p4 http://lan.rgr.jp/battle/etiquette/strangeへのコメント。 「どうもです」は「どうもだ」とはいわないのでおかしいのじゃないでしょうか少なくとも真名垣様的には 正しい日本語だの美しい文化だのは捨ててし…

「正かな入門」のためのメモ(2)

「ゐ」と「い」の使い分け 本当は「ひ」も加へるべきだけども。 「とにかく正仮名をきっちり覚えたい」といふのでない限りは、取り敢へずは「ゐる(居る)」「くらゐ(位、そのくらゐ、これぐらゐ)」を覚えればなんとかなりさうだ。大多数が「ひ」で、「い」は…

ひとりごと

なんか、或る自称人気者が、自分のブログの記事をけなされて腹を立てたか何かで、その相手に対して「トラックバックは送れ、それが礼儀だ」とか的はづれなこと(妄言)を書いて大恥かいたなんてことがあったとか無かったとか。 自分が(トラックバック機能付き…

名著? 労作?

国語問題協議会の伝言板に呆れる(あまカラ雑記) 八つ当たりだが、国語問題協議会関連でもう一つ。土屋道雄『国語問題論争史』のようなつまらない本を名著と持ち上げる奴の気が知れない。増補版というのが最近出たが、増補分を見ると、最近発刊された国語関連…

何となく、「クソの役にも立たない便宜主義・功利主義」なんて表現を思ひついた。

今月の文藝春秋

阿川氏の随筆、「お言葉ですが」が終ってしまったことについて。 呉智英さんは例の仔猫殺しについて書いてゐる。

メモ。 正統(歴史的假名遣ひ)を使ふこと。 そのシンポジウムの後で食事をしながら、その思想家の一人に私はかなり強い口調で言はれた。「君はその若さで歴史的假名遣ひを使つてゐるが、必然性はあるのか。毎日古事記を讀みながら生活でもしてゐるのか」と言…

「支那」について(内田百間)

『新輯内田百間全集』第十九巻「ひよどり會」(p442)。 それよりも、支那料理と云つてはいけない事になつてゐる様で、猫がフンし箱の砂箱の外にフンしてはいけない事になつてゐるのと同じだと思はなければいけない事になつてゐる様である。 敗戰後さう云ふ事…

太田晶二郎著作集 第五冊

内容は解題や影印の校記などなので正直歯が立たない。 書名は顔にも譬ふべきものであり、概して、内容の優劣が平行する。「釋日本紀」−釋+原書の書名−といふ名づけ方は、ありふれたものの如くであって、実はあまり先例傍例も無く、平凡なやうであるけれども…