2006-09-29から1日間の記事一覧

毎日新聞で紹介された本

『制服捜査』 佐々木譲 『ルリユールおじさん』いせひでこ

『日本の聖書』海老澤有道 講談社学術文庫

「文語訳」とは違ふ古い時代の訳が面白い。 井深梶之助訳『馬可伝俗話』。明治十四年。(p322) みな食べるときに、イエスはパンをとって祝し、それをさいて、お弟子たちにあたへて、おふせられますには、とってたべよ。これは、わが身[からだ]である。また杯…

『鳩翁道話』平凡社東洋文庫

1970年初版。昭和四年刀江書院刊行の『鳩翁遺稿』の自伝や序、略年譜を除き「道話」の部分のみ再刊。 要するに御説教だが、たとへ話が豊富で活気のある語り口で落語のやうに面白い。 凡例より。 再刊に当っては、改めて「道話」の原木板本に遡って本文の校訂…

『増補 本居宣長』1 村岡典嗣 平凡社東洋文庫

有名な基本書。2006年1月17日初版第1刷。 凡例の三から。 仮名遣いは、変体仮名を通行の字体に直したほかは底本どおりとしたが、漢字は、原則として常用字など通行の字体に直した。また、難読と思われる漢字に新たな振り仮名を[]に入れて付した。 篇でなく編…

『ことばの履歴』山田俊雄 岩波新書

「あとがき」。収録されてゐるのは「詞苑間歩」のみ、編集から表記まですべて編集部に任せたらしい。 ここに収めたものは、どれを一つ取ってみても、身辺にあることばの用法や書きあらわし方などに話題を求めた、些細な贅言にすぎない。おそらく、年長けた人…

山田俊雄『詞苑間歩』続

「順風満帆」をマンポと読む間違ひが広まってゐることを嘆く文章を新聞で読んでのコメント。 辞典類をひいてみると、「順風満帆」といふ語は、極新しい辞典にしか載せてゐない。勿論しかるべき出典など皆無である。わたしにとっては、むしろマンポ・マンパン…

『神田喜一郎全集』第二巻

「続東洋学説林」 「投壺の遊戯について」 「日本漢学史上における僧玄光」 徂徠が古文辞を唱へるよりも前に実証的な研究をした人で、徂徠も非常に賞めてゐる。 「日本書紀古訓攷証」 孟子の「縁木求魚」は木に上りての意。(p327) 「書信」などの信の字は古…

『ことば談義 寐ても寤ても』

「まえがき」より。 いわゆる常用漢字には、それなりの使命もあり、またそれなりの効用も認めなければならないけれども、その外側に拡がっていた、日本語の過去の広大な眺めを省みることは、人の心にとって、全くの無用であるわけがない。 尖端的な世界に、…