『鳩翁道話』平凡社東洋文庫

1970年初版。昭和四年刀江書院刊行の『鳩翁遺稿』の自伝や序、略年譜を除き「道話」の部分のみ再刊。
要するに御説教だが、たとへ話が豊富で活気のある語り口で落語のやうに面白い。

  • 凡例より。

再刊に当っては、改めて「道話」の原木板本に遡って本文の校訂を行なったが、その表記にかんしては元版の古い表記を改め、新仮名、新字体を用い、漢字はつとめて仮名にかえた。引用の漢文は読み下し文に書き改めた。また総ルビを廃して送り仮名を補い、句読点を分ち、文章の段落を多くしたほか、とくにゴチックによる小見出しを付して読みやすくするなど、外形上若干の改訂を敢えてした。要は本文庫の趣旨に従い、一に現代人の通読に便ならしめたい意図にもとづくものである。ただし、原本の読み癖や特殊な用字法はなるべくそのままにとどめて、道話の口調をつとめて損じないように配慮した。

何ともひどすぎる趣旨だ。その後改心だか更生だかしたやうで、前にメモした『本居宣長』などはかなりましになってゐるが。
参考