『増補 本居宣長』1 村岡典嗣 平凡社東洋文庫
有名な基本書。2006年1月17日初版第1刷。
- 凡例の三から。
仮名遣いは、変体仮名を通行の字体に直したほかは底本どおりとしたが、漢字は、原則として常用字など通行の字体に直した。また、難読と思われる漢字に新たな振り仮名を[]に入れて付した。
- 篇でなく
編
なのは原文のままなのだらうか。 - 伴蒿蹊のコメント(p198)。万葉集の註釈において、
凡そ元禄年間まで
の註釈家が、本文を改めれば通じる場合も改めず無理に註してゐた態度は謹厚とはいふべけれど、又死守とも言ふべし
。一方、真淵や門下の者が遠慮無く改訂する態度はこれは所謂活眼にて、活書を見るとも言ふべけれど、又万葉集も吾撰のもののやうになり、古伝の本は亡びなむやと危ふし。
と言ふ。「一是一非」であると言ふ。「死守」を現在とは違ふ意味で使ってゐるやうだ。 - 年月日の表記。「序」では
明治四十四年一月十三日
。「増訂にあたりて」では昭和三年(一九二八)一月十五日
。「再版のはじめに」では昭和九(一九三四)年五月八日
。 - 俗語で解釈した「古今集遠鏡」(p214〜)が面白さうだ。