手書きの字(井上靖)

記事によると昭和十二年十月に送られた手紙。
手紙の画像もあるが手元にある新聞の方が見やすい。手書きの字体は参考になるから、見えるものだけ書いておかう。
宛名。

大日本
靜岡縣 伊豆 湯ヶ×〔「島」がほとんど見えない〕
井上隼雄様
毋上様

靜の偏は青のやうにも見える。毋はもちろん母だらうがこの形。
一枚目。

その後お変りありませ
内地出発以来、そちらから
手紙が一本も手に入らない
態なので とんと内地の様子
が解らず心配してゐます。
前便で名家荘に当分駐頓す
るようお報せしましたが、あれ
から直ぐ命令が変り、ずつと

「内」の中が「入」に見える。以来・本・家は読み違ひかも。「頓」「よう」は原文のまま。
二枚目。

毎日、七八里
昨日○○に
さらに前方
以来、行
里以上を
す。すつかり
×も強健で頗る元
で何も御心配するには当

里・以来・強・御は読み違ひかも。
三枚目以降はちょっと小さくて読めない。
ついでに読んだ記事。