小池『異体字の世界』は買はない

例によって、正字・正假名使ひの爲のアンテナ経由で。


 ところで、一部の人からは強烈な反発を招きかねないことも述べているので、引用しておきますw 個人的には、いずれもまっとうな記述だと思いますが、異論・反論・オブジェクションをどうぞw

「どうぞw」だなんて、愉快犯みたいでいやよねえwwwとか何とか。

引用文を読んだ限りでは愚論だと思ふ。

現在の常用漢字の形が日本の「正字」となってすでに六十年になろうというのに、いまだに旧字を「正字」と言い張る人たちがいます。仮名遣いも含めて、「正字・正かな」にこだわる人たちです。

正字」とは社会的に公認されたものを言ふのだ、といふことを言ってゐるのだらうが、その意味で旧字を「正字」と言い張る人たちなんて著者の妄想の中以外に実在するんだらうか。旧字が公認の字ではないことを認識した上で、「(相対的に)正しい字」だと主張してゐるだけだらう。この著者はバカなのか嘘つきなのかどっちなのかな。

藤原定家以来、古代の発音に基づいた日本語の歴史的仮名遣いも、漢字の祖国の発音を何とか日本語に移植しようと努めた字音仮名遣いも、ついに定着することはありませんでした。

ほんとにさうかね。字音仮名遣についてはともかく、和語の仮名遣については怪しいな。新かな導入初期には「間違へて」一部旧かなで書いてしまふ人がゐたんぢゃなかったっけ。古代の発音に基づいた日本語の歴史的仮名遣と、旧かな反対派にありがちな決めつけもしっかりやってゐるし。

発音し分けられないものを書き分けることは自然ではありません。

例へば「ず・づ」の表記などで、語源(と言ふか語の体系)を意識してしまひ「書き分け」てしまふ人が(正かな派でなくても)ゐると思ふが、それは「間違ひ」であり「不自然」なのだとぜひとも「啓蒙」してもらひたいものだと思ふ。

引用した人によると、

著者のために言い添えれば、「とはいえ筆者個人は、その旧字でしかないものが、たまらなく好きなのです」と付け加えてはいますがw

ださうで、いったいこの著者はどういふ人なんだか。懐古趣味の旧字オタクか。バカみたいだな。
この本は買はないことに決定。立読みはするかも知れないが。