ところが、金田一春彦氏は新村出氏とは反対に、現代かな使い(仮名假名遣)論者で知られており、小学校・唱歌仰げば尊し」は元は「「あふげばたふとし」でしたが、金田一春彦氏等の編集により現代かな使いにより、「あおげばとうとし」になったとされております。これには賛否両論がありますが、私としては、「仰ぐ」の送りがなは「アオグ」であり、この歌の場合に限ってその歴史を重んじて「仰げ」を「アフグ」とするのには違和感が有ります。 新村出氏は、「広辞苑」の巻頭で、金田一春彦氏の現代かな使いに苦言を呈したこともあり、結局、金田一親子とは生涯をかけて対立したことになります。