仮名遣ちかみち

何のつもりでか忘れてしまったが、「仮名遣ちかみち」で検索して気になったこと。


山田忠雄の補記めあてで買つたのだけれど――16頁「さへぎる(遮)」にはアスタリスクがついてゐるのに対応する注が存しない――、その詳細な考証を見るにつけ、いよいよ歴史的仮名遣フランケンシュタインの怪物としか思へなくなつてくる。

詳しく知ってゐるとはとても言へないのでどうにも判断できないが、そんなに多くの部分がつぎはぎなのだらうか。

削除されるやうな古い記事だし、全体の意図も不明だから気にしてもしょうがないが。

江戸後期の歌人、内山眞弓はその著『歌學提要』において、「いにしへの俗言は、今の古言なり。今の俗言は、後の世の古言なり。古言は學ぶべくして、いふべきものに非ず。俗言はいふべくして、學ぶべきものにあらず。」と書いている。俗言を『現代仮名遣い』に、古言を『歴史的仮名遣い』に、置き換えてみると興味深い。

「興味深い」といふはっきりしないくせに意味ありげな言ひ方は嫌みのつもりだったんだらうか。