新明解国語辞典

前に反応しそびれてそのままだった。コメントからするともう解決済みかも。

ところで、あつちと云ふ意味での「向こう(むこう)」つて歴史的假名遣では「向ふ(むかふ)」で良いのだらうか?新明解国語辞典第三版では「むこう ムカフ[向(こ)う]」と書いてあるのだけれど。

両説あるやうで。まあ多数派の「う」でいいのでは。
以下、『新明解』について。

 ところが、昭和四十七年初版の新明解国語辞典(代表、金田一京助)は、主幹が山田忠雄であり、この人の執筆と目される「あとがき」の「和語のかなづかい」の所を見ると「現行の国語辞典、それぞれスマヒ、ムカヒの音便ゆえ、スマウ、ムカウとすべき珍説を載せるが、その学的根拠を知らない。終止連体形による名詞法と見れば済むものを、回り道する必要はあるまい。」ときっぱり断じている。

手元の『新明解』第四版「あとがき」の[U]「スマフ ムカフ:カゲロフ」の項では、「終止・連体形による名詞法と考え、ウに従う旧説を排した。」と淡白に書いてあります。
山田忠雄が死んでしまったから第六版では排除されたのかな。