「SaaGaas Hateda - 旧仮名遣い」(4)
あれこれ抜萃。
それはちょっと怪しいと思ひますが。呉さんは『ロゴスの名はロゴス』の「歴史的仮名遣ひって論理的でせう」で、
私は学生時代から呉氏のファンで、ほとんどの著作を買って読んできた。[略]、しばらくして旧仮名遣いで書かれた断りのハガキをもらってしまったことがある。[略]、呉氏が旧仮名遣いで返事を出すときは、たいてい強烈な揶揄の意味合いが込められているのだそうな。あのころはまだまだ青っちょろい考えにこり固まっていたからね。[略]
三十年近く前石川淳の日本語論を読んだおかげで旧かなの合理性を知ったと書いてゐますから。何で読んだか思ひ出せませんが、「私的な文章では旧かなで書く」とも書いてゐました。
あくまでもサイトは旧仮名遣いで構成されるみたい。
とあったので、「どうせ似非旧仮名だろ」と思って見に行ったら全く予想通りで失望した!
- http://www.starchild.co.jp/special/zetsubou/story.html
- 三行目「ような」
- 七行目「いない」
- 同「すまなひ」
- 九行目「ような」
- 十行目「考え」
- 十三行目「始ろう」
間違ひがあることよりも、正しい表記のすぐ後に間違ひがあって不統一であることに失望した!
正かなづかひ早分りなんか分りやすいやうですが。
読んでいて気付いた点だけ書いておこう。それは内容じゃなくて「かなの使い方」の方なのだ。一種独特の「かな」の使い方のように思えるのだが、それが、旧仮名づかいなのか、それとも氏独自のものなのか、それは知らないから、ただその使い方を本の中から抜き出してみる。
最初は「い」のつかい方・・・住ひ、いくつか、茂ってゐた、辛い、いい思ひをしてゐた、涼しい、かういふ思ひ
つぎに「う」・・・といふ話、もうすこし、さういえば、かういふ
つぎに「え」・・・あへぎながら、さう言へば、樹を植ゑたい、
その他・・・「ありよう」→「ありやう」、「いわく」→「いはく」、「なおさら」→「なほさら」、「嬉しかろう」→「嬉からう」
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こうやって抜き出してみても、どういうときに、どの「かな」を使う規則になっているか、さっぱり分からない。
以下、適当なまとめなのであまり参考になりさうにない。
新假名で語頭以外が「わ」「い」「う」「え」の語は「は」「ひ」「ふ」「へ」になる事が多い
- 「いわく」→「いはく」
- 住ひ
- といふ話
- あへぎながら、さう言へば
- 「なおさら」→「なほさら」
- 「ゐ」と書くのは「ゐる」など少数
- 「ゑ」も少数
- 形容詞の語尾などは「い」
- 辛い、涼しい、いい、〜したい