秦氏の本
- 作者: 秦郁彦
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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- 大江健三郎は『沖縄ノート』の中で、集団自決を命じたとされてゐた守備隊長を(ナチスのアイヒマンを引き合ひに出すなど)最大限に侮辱し、命令したのは事実ではなかったと曾野綾子の調査(ある神話の背景―沖縄・渡嘉敷島の集団自決 (PHP文庫))によって明らかになった後も記述を修正しなかった。 名誉毀損で提訴されてからも新聞エッセーで論点をずらした不誠実なコメントをしてゐた。
- もらった年賀状の話(話の枕)
なかに「平和主義者達が暴力を放棄できるのは、ほかの人々が彼らに代って暴力を行使してくれるからだ」というジョージ・オーウェルの辛辣な一句を引用した人があり、ぎくりとさせられた。(p56)
はからずも、南京虐殺での「局所肥大」がマンガには稀な筆禍事件を招来したわけだが、その前までの昭和史の描き方は正統派的な重厚さを失わず、所々に歴史専門家も啓発される鋭い切り口を見せ、決して悪くない出来栄えである
惜しまれるのは、ビックス本とほぼ同時にピーター・ウェッツラー『昭和天皇と戦争』、ベン=アミー・シロニー『母なる天皇』、ケネス・ルオフ『国民の天皇』と、学術性の高い好著が紹介されたのに、タッチの差で出おくれ、背後にかすんでしまったことである。
戦争責任を論じた本で秀逸と評価できる
のが、『天皇の戦争責任』
ついでに通訳の奥村勝蔵が筆記した第一回天皇・マッカーサー会談の「御会見録」(二〇〇二年十月、外務省と宮内庁が公表)、一九四六年年頭のいわゆる天皇の人間宣言の全文、加えて二〇〇三年に加藤恭子氏が発表したばかりの「国民への謝罪詔書草稿」の全文までいれてある。これほどそろえた資料集は他にないから、出版企画としては大成功の部類だろう。
- 作者: Peter Wetzler,ピーターウエッツラー,森山尚美
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2002/11/01
- メディア: 単行本
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- 作者: ベン=アミーシロニー,Ben‐Ami Shillony,大谷堅志郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/01
- メディア: 単行本
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- 作者: ケネス・ルオフ,高橋紘
- 出版社/メーカー: 株式会社共同通信社
- 発売日: 2003/12
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