『道徳を基礎づける』

道徳を基礎づける―孟子vs.カント、ルソー、ニーチェ (講談社現代新書)

道徳を基礎づける―孟子vs.カント、ルソー、ニーチェ (講談社現代新書)

副題の通り、西洋思想と孟子の思想とを対峙させることで、両者の新たな可能性を読まうとする本で、呉智英さんが「今年のベスト」として推薦してゐた本なのだが、どうも頭に入って来なかった。自分が孟子をまだきちんと読んでゐなかったことには当然ながら気づかされたのだが。
印象に残ったのは、孟子が「仁君を目指すことこそが天下を手に入れるのに役立つ」と主張することで、カント的な「徳」とマキャベリ的な「力」とを一致させようとしてゐるといふ指摘。