の氏の読書アンケート

取りあへず答へる

  • 聖書

同じ。旧約は未読。

まあ「愛読書」と称していい程度には読んでるかな。

同じく数冊。ソクラテスには池田晶子の『帰ってきたソクラテス』の口調がよく合ってゐると思ふ。

未読。

最初だけ読んで何となく挫折。

ロミオとジュリエットじゃじゃ馬ならしリア王ハムレット真夏の夜の夢。福田氏関連で読んだかな。リチャード三世はミステリ『時の娘』経由で。オセロは最近ポアロもの『カーテン』経由。シーザーとマクベスは見かけて買って来てまだこれから。

概説書『謎解き罪と罰』を読んでしまったせいか元の本は未読。カラマーゾフの兄弟は読んだ。中に出て来る「大審問官」の話が印象に残ってゐる。

どれも途中で挫折。『アンチクリスト』は超訳だかなんかの『キリスト教邪教です』をどんな訳か興味があってちょっと読んだかな。

問題意識


この種の、大變危險な言論と云ふもの、これが眞の意味で文學と呼ばれるべきものなのであるが、我が日本國に於て、日本人自身が自ら創作し得るものかは疑はしい。慥かに或種の人々は重大な問題をさらりと指摘し、或は電撃的に指摘してゐる。が、それが日本の多くの人に殆ど影響を與へてゐないのだ。夏目漱石が何處まで日本人の思想に影響を與へたであらうか。吾輩猫で韜晦する漱石が漢字を適當に書いてゐたとか、その程度の事が面白がられるだけである。森鴎外が――鴎外等、脚氣の問題で政治的に彈劾が加へられ、それだけで鴎外の全人格が極附けられ、否定されてゐる始末である。美しいだけの文學でプロレタリア文學に敗北した芥川は未だに教科書に載り、走れメロスの奇矯な文體で太宰は記憶されてゐるに過ぎない。
今は類型化・單純化して話をしてゐるから、個人的に影響を受けたとか言ふ人の反論は受附けない。もつともその種の反論をして「俺は完全に論破した」とか思ふのも日本人。やつぱり日本人は或種の思考法を學び得てゐないのであると、俺が言つたら怒る人もゐるだらうが、会田雄次が指摘してゐるのである。

かういふ「文学・教養のは有効か」といふやうな問題意識から出たアンケートなのだらうから、単純にアンケートに答へることを求めてゐるわけではないだらうが、ただの回答以上のことはちょっと無理かな。

やつぱり日本人は、西歐の古典や名著から自分逹の知らない事を學ばなければならない。だが、俺もさうだが、案外基本中の基本の本を、讀んですらゐなかつたりする。それは多くのブロガー多くの掲示板ゴロの諸君もさうであらうと思ふけれども、實際、何んなものであらうか。何か妙に偏つた本を基本圖書とか言つて「お前こんなものも讀んでゐないのか」と「南京大虐殺」は「あつた」と主張する人が威張つてゐたりするけれども、本當に基本的な古典、基本的な名著と云ふもの、諸君は讀んでゐるのだらうか。俺は大して讀んでゐないから、威張れたものではないけれども、さうした事實を認めるくらゐには「傲慢」である。

取り敢ずは今回のアンケートのやうにめいめいが読書自慢したり、感動した本を「吹聴」したりして読書意欲を刺戟し合って行くといふところだらうか。