医学用語?

コヤアツ先生の日記より。長谷川泉の本の題についてのコメント。


 なんか、「味わい方」とか「機構」とか「側溝」とかいう言葉を、妙な風につける人だったようで、そのネタが尽きると、「涓滴」とか「管窺」とか「点滴」とか「盛儀」とか「燦遺映」とか、よく分からん言葉が飛び出してくる。「点滴」ってそりゃ、医学書院の社長だからそういう言葉が出てくるのだろうが、盛儀とか遺映とか、まるでお葬式だ。「管窺」だって、検査しているみたいだ。そういえば鴎外は医者だし、川端は「葬式の名人」だし、なんかあるんだろうな。

特殊な感じの題なのはその通りだけど、それ以外はどうなんだらうか。ちょっと検索しただけでも、「管窺」は漢文的な語のやうだし、「盛儀」だって葬式に限った語でもないやうだ。
「点滴」について山田俊雄の本で何か読んだ覚えがあったのだが、言及してゐる日記を見つけたので引用する。

点滴と聞いて思い浮かべるのは、やはり点滴注射だ。私自身は経験がないが、入院した人は必ずといっていいほど点滴を受けている。液が長い管のなかをポタリポタリと落ちてくることから、点滴注射というのだろう。しかし、最近読んだ「ことば散策」(山田俊雄・著 岩波新書)によると、「点滴」という言葉は、もとはといえば雨だれのことだったという。

”点滴石を穿つ”というように…といわれれば、そうだった、そうだった…と思い出すが、すっかり忘れてしまっていた。荷風漱石は、”点滴の響き”とか”点滴の音”というように使い、鴎外は”傘を打つ点滴も…”というふうに使っていたそうだ。

ついでにyahoo辞書も引用。

1 したたり。しずく。また、あまだれ。
・ 「傘(からかさ)を打つ―も聞こえず」〈鴎外・ヰタ‐セクスアリス〉